2005年09月18日
●■お見合い異聞 すれ違い・・・・【2】
★F子さんからメールが届いたのは、
A男が自分の思いを無理やり、封じ込めてからさらに、
数ヶ月後のことだった。
そこに書かれていたのは、
彼との結婚を家族に反対されたこと。
自分の「医師」としての仕事との両立を考えると、
結婚に踏み切る自信がなかったこと。
そして、正直に、自分自身と向き合って考える時間が
必要だったこと。
そして、今、自分の人生に、A男が不可欠な存在だと
はっきり気がついたこと。
そして、自分の家族の説得に時間がかかったことだった。
本当なら、ここで2人は、ハッピーエンドになるはずだが、
そうなるには彼の気持ちがあまりにもかたくなになりすぎていた。
「僕にとっては、もう済んでしまった事です。」
彼は、F子さんに会おうともしなかったのだ・・・・・やれやれ・・・
2人とも同じ気持ちなのに、ここまですれ違ってしまうと、
立会人としても打つ手は無い・・・・こともないか!
立会人ミセスX
■彼の住む下町のお祭りは、
自治会の役員を務めるA男にとっては大きなイベントだ。
いつもと違う違和感が彼を襲ったのは、
お神輿の担ぎ手集めや当日の警備など、
目の回るような忙しさが終わり、
役員達が慰労会の席についた時だった。
料理は町内で持ち寄って、お酒の席になるのだが、
海苔巻、から揚げ、サトイモの煮転がし等メーニューはいつも似たようなものだ。
ところがその夜、テーブルに並んだのは、
彩りよく大皿にもられた、サーモンのマリネ、
ミートローフ、キッシュロレーヌ、すずきのパイ包みなど、
今までこの席には無かったものばかりだった。
役員達の話題は、正体不明の料理人に集中した。
一体誰がこの美味しい料理をつくったのか・・・・?
A男がこの料理人の正体を知らされたのは、彼の母親からだった。
★ 「F子さんしかありませんよ。」
お二人? そう、結婚なさいました。
彼の冷たい仕打ちにもあきらめきれなかった彼女に、
彼のお母様に会って、自分の気持ちをお話なさるよう
セッティングした、立会人。
ここで2人は、女同士意気投合!
「貴女と結婚しないなら、私が勘当しますよ・・・」
お母様は、このお祭りの日、彼女を招待。
彼女は存分にお料理の腕を振るったという訳。
もともと、認め合っていたお2人が、仲直りするのには
ちっとも時間はかからなかったようだ。
今、彼女が使っている高性能の聴診器は、6万円、
彼からのプレゼントだ。
彼からはこの町に、小さな診療所を建てるために、
頑張っているとの便りが届いた。
もちろん、彼の結婚には母親と、事情を知った、自治会役員の
強い後押しがあったのは言うまでも無い。
自治会役員の面々は、密かに次回慰労会の F子さんの
『手料理』 を楽しみにしているのだとか・・・・
★どうか、お幸せに・・・・・
でも今度は、もっとすんなり決めて欲しい・・・
立会人ミセスX

